感想
文責:宇都木弘華
9月22日から23日にかけて、長野県にある蝶ヶ岳(2677m)に登りました。そして、この登山は、一生私の記憶に残る登山となりました。
本来は21日に集合する予定でしたが、台風の影響でみんなが東京に集まることができず、1日遅れの22日早朝のつくば発となりました。そのため、登山開始の時間も1200ごろとなり、その日の登山者の中で一番最後のグループとなりました。
登山開始は遅くなりましたが、体力のあるメンバーのなので、順調に登山は進みましたが、途中から下山している人から上にケガ人がいるという情報を聞きました。その時は、そんなに大きな問題ではなく、私たちが何かすることもないだろうと思いながら登山を進めました。
そして、2300m付近に差し掛かった時に、階段から落ちて頭から血を流している男性に遭遇しました。私たちはケガ人がいることは知っていたので、バクは躊躇することなく男性の状態を確認し、落ち着いて怪我の処置をしていました。その姿を見てすごいと思う一方で、私は何をすればよいのか分からず、何も行動することができませんでした。
男性は自力で登ることも下ることも難しい状態だったため、バクが男性が落ちないように確保し、りくとげんが男性の肩を組みながら、緊急ビバークができる場所まで運びました。バクがテントを張っている間、男性は時々意識を失ったり、そのまま眠ってしまいそうになったりしていました。その際、りくとげんは男性の肩を叩きながら名前を呼んだり、声をかけたりしていました。また、傷口を押さえていた包帯が外れてしまった時には、すぐに自分たちで包帯を付け直していました。その姿を見て、二人をとても頼もしく感じ、バクがその場にいなくても安心して任せられると思いました。私とれいは、暗くなり足元が危険になった際に地面を照らしたり、男性に声をかけたり、状態をメモしたりしました。
テントがやっと張れる場所まで到着し、男性をテントに入れ、寝袋で保温すると、男性はすぐに眠りにつきました。テントは一つしかなく、狭い登山道で一人しか眠れないため、私たちはテントを使わず、登山道で夜を過ごしました。道幅が狭く、崖側に足を垂らすような状態で寝たため、朝起きた時に落ちてしまっていないか少し不安でしたが、無事に朝を迎えることができました。
翌朝は、バクを除いた4人で蝶ヶ岳の山頂を目指しました。無事に山頂に登頂し、きれいな景色を眺めることができた時は、前日の大変の救助があったからこそ、山頂にいられることをより幸せに感じることができました。今回の登山では、実際に傷病者に遭遇し、その救助をするという、今まで経験したことのない出来事を経験することができました。この経験を通して、山はいつ何が起こるか分からない危険な場所でもあるということを改めて実感しました。
今回の経験をきっかけに、山についての知識だけでなく、傷病者に遭遇した時の対処方法についても学び、資格を取得するという新しい目標ができました。今後は、今回の経験を活かして必要な知識や技術を身につけていきたいです。そして1人や誰かと山に行く時に今回のような場面にであった時に自分に何ができるか考え、落ち着いて行動できるようにしたいと思いました。
今回、男性を救えたのはバク、れい、りく、げん、私の5人がいたからだと思っています。各自が持っている力を合わせることができたから救えたと心の底から思いまた。登山を終えた時、私はみんながヒーローに見えました。



みんなの感想

りく:今回の山での経験を通して、山の危険さを再認識しました。血だらけになりながらの救助や、緊急ビバークなど、初めてのことばかりで動揺しました。僕たちのおかげで、男の人が助かって本当に良かったです。

れい:緊急ビバークするとなって、時々意識を失う怪我人を支えたり、足元照らしたりと、テントのところまで、どうにか移動することが出来た時、安堵感が凄かったです。こんな事初めてでビックリはしたけど各々自分に出来ることを考えて動いていて、バクという異次元な人間と一緒に、皆と育ってよかったなと思いました。これが幼少研の力!

げん:本当に緊張したし、自分に出来ることやり、仲間と協力できて本当に良い経験になりました。改めて、怪我のことや処置のことをもっと知りたいと感じました。山の美しさと同時に厳しさを肌で感じる登山でした。

ばく:今回の救助ができたのは、本当に4人の力のおかです。90キロ近い傷病者を危険で細い登山道を担ぎ上げるげんとりく。冷静にメモを取り続けるひろか、傷病者をはげまし続けるれいなど、誰一人欠くことできませんでした。そして、2300mの狭い登山道でも、文句一つ言わずビバークするみんなを見ていて、どんな困難な状況でも、仲間と助けあい、笑って乗り越えてきた幼少研だからこそ救えた命だなあとみんなを心から誇りに思いました。
登山記録
9月22日
610 つくばセンター発
1130 三股登山口着
1300 力水で昼食
1500 まめうち平
1600 傷病者遭遇/登山中止/レスキュー開始



9月23日
530 2300m地点より登山開始
645 蝶ヶ岳山頂着
700 蝶ヶ岳山頂発
745 2300m地点着
1000 常念岳分岐着/ガイドさんに三股登山口着までトラックで送ってもらう
1015 三股登山口着
1100 しゃくなげ温泉着
1330 しゃくなげ温泉発
1900 つくばセンター着



救助記録
9月22日
1600 傷病者遭遇/傷病の評価と処置
1640 蝶ヶ岳ヒュッテに向けて避難開始
1700 傷病者の意識の低下、蝶ヶ岳ヒュッテ避難断念、緊急ビバーク決定
1740 テントサイト着
1800 警察、山岳救助隊に通報するも夜間のため救助不可となる
9月23日
530 4人で蝶ヶ岳に向けて登山開始/ばくがレスキューの対応のために現地に残る
600 蝶ヶ岳ヒュッテの遭対協2名が到着
700 長野県警察の山岳救助隊着
730 ヘリコプター着/傷病者搬送


