体験活動を科学する:体験評価アプリ3Eフォーム体験

岡村泰斗
幼少年キャンプ研究会副代表
backcountry classroom Inc., CEO

突然ですが、野外教育、体験活動の指導者、主催者、事業者のみなさん、事業の評価しっかりやっていますか?

・PDCAは分かっているけどそこまで手が回らない
・キャンプのアンケートをとっているけど必要性を感じられない
・プレ・ポストで有意な効果は出たけどだから何って感じ
・そもそも統計がむずかしすぎてさっぱりわかない

誰もがこんな悩みや気持ちを持ったことは必ずあるのではないでしょうか?

このワークショップでは、野外教育研究の第一人者である発表者が、20年間の研究活動の末たどり着いた、誰でも簡単にアンケートを実施でき、体験活動の効果とその原因の因果関係が一目でわかり、事業改善に確実に役に立つ、体験活動の評価アプリを体験します。

Experiential Education Evaluation Form:3Eフォーム(岡村, 2015)は、消費者の購買行動を分析するために開発されたMeans-End分析(Gutman, 1982)をもとに開発されました。その後2000年代になり、野外教育の効果要因を探るための質的研究として応用されましたが、既存のMeans-End分析ソフトを用いたため必ずしも野外体験場面にふさわしくなく、結果が解釈しにくいと言った問題もありまた(岡村, 2021)。3Eフォームはこれらの運用上の問題を解消し、現場の指導者だけでなく、科学的研究にも応用可能なツールです。

このワークショップでは、評価の必要性、現在の事業評価、野外教育研究の問題点を明らかに、参加者全員の全員の過去の野外体験をサンプルとして、3Eフォームによって効果モデルを作成し、野外教育指導者の過去の体験と効果(指導力)の関係を明らかにしたいと思います。

せっかく、とったデータですので、ワークショップ参加者のどなたかに、ミーティングのクロージングセッションで、5分程度の研究発表をしてもらい、ミーティング参加者全員と研究成果を共有したいと思います。

このワークショップで得られる力:
・事業評価の必要性、課題の理解
・効果的な事業評価のやり方
・3Eフォームの効果的な使い方
・研究発表の進め方、発表方法

引用文献:
1)Gutman, A. (1982):A means-end chain model based on consumer categorization processes. Journal of Marketing, 46, 60-72.
1)岡村泰斗(2015)経験評価方法. 特許庁, 特許第5769152号.
2)岡村泰斗(2021)Means-End 分析を用いた自然体験活動の新たな評価の可能性. 野外教育研究